《一般質問》吉住健一                  平成19年2月23日

 自由民主党新宿区議会議員団の吉住健一です。
 私は、団塊世代との協働の推進について、区長並びに教育委員会に質問いたします。
 申すまでもございませんが、2007年から2010年にかけていわゆる団塊の世代と呼ばれる
方々が職場から地域へと帰っていらっしゃいます。その方々の活躍の場をということは多く
の方々が発言をし、区も意識調査や仕組みづくりに取り組んでいるとお聞きしております。
 そこで、平成17年度に行った社会参加や就労への意識調査で何か特徴的なことがござい
ましたら、感想をお聞かせください。
 また、平成19年度予算案の中で、新規事業として生涯現役塾というものが示されています
が、どのような事業を行い、どのような生かし方をしていくのか、計画をお示しください。
 ところで、2月8日に中野区の小学校に児童を殺害するとの予告電話と申しますか、嫌
がらせの電話がございました。その連絡を受け、近隣の淀橋第四小学校では緊急の集団
下校を実施しましたが、突然のことですので保護者がなかなか集まれる環境ではございま
せん。たまたまその日は授業参観が行われておりましたし、地域のボランティアによる邦楽
教室や学校評議員会が開催されていましたので、20人ほどの保護者と地域の10人ぐらいの
方々がいらっしゃいました。そのような偶然がなければ、本当に緊急で集まれる少数の
保護者と教職員しか下校時の安全確保に当たる人員がいないというのが現実です。
 ここで教育委員会にお伺いいたしますが、今後の地域における学校支援という考え方で、
団塊世代の方に参加をしていただくような取り組みができないものかと思いますが、いかが
でしょうか。
 参加の方法はいろいろあるとは思いますが、早急に検討していただきたいこととしては、
先ほど申し上げましたような緊急時に保護者が集まれないという現状がありますので、地域
で事前にボランティア登録をしている人々が児童の下校時の警戒活動に集まってくるという
仕組みをつくれないかということです。このことは、団塊世代の方だけに限ることではありま
せんが、何かが起こった際に駆けつけてくれる地域の人をあらかじめデータベース化しておく
ことは必要ではないかと思います。
 また、平成17年度末から警察等から地域で定期的な防犯パトロールをしてもらいたいとの
申し出があり、それぞれの地域でそれぞれのペースで実施をされているところでございます。
しかしながら、担い手が不足していて一部の人に負担がかかっていると感じております。
 60歳になって仕事をやめる人ばかりではないと思いますが、自分の使える時間をみずから
が生活をしている地域のために使ってもいいという人がどこに参加すればいいのかを知る
ための取り組みを考えておくことは有意義であると思います。町会など自治会組織に対する
活動支援の制度は区でも取り組んでいただいているところでございますので、現行の制度も
生かしながらボランティア活動の担い手を募っていく研究をしていただきたいと思いますが、
いかがでしょうか。
 以上三点をお尋ねいたします。御清聴ありがとうございました。

答弁
 伊藤陽子健康部長
 吉住議員の御質問にお答えいたします。
 団塊世代との協働推進についてのお尋ねです。
 まず、社会参加や就労の意識調査での特徴的なことへの感想についてですが、平成17年
度に実施した高齢期の社会参加に関する意識調査の報告書の中で、55歳から64歳の人で
、65歳以上も仕事を継続したいと思っている人の割合は4割です。男性では5割弱、女性では
3割となっており、高齢期における就労意欲が高いことが把握できました。
 また、活動情報の入手方法がわからないことが社会参加を妨げる原因の約4割と最も多い
ことや、講座等の学習機会が社会参加への有効な手段であることも把握できました。この
ことから、高齢者が就労を初めとする多様な社会参加活動に参加しやすい仕組みの構築が
不可欠であると考えております。
 そうすることにより、団塊の世代の方々がみずからの能力を発揮し、生きがいを持ち、生き
生きと過ごせる地域社会を実現することが重要と考えています。
 次に、生涯現役塾についてのお尋ねです。
 生涯現役塾は、退職後に地域で活躍したいと考えているシニア世代を対象に地域活動への
参加のきっかけづくりと、生涯現役で活躍するために必要な準備等のサポートを行うものです。
 第1段階として、NPO等の地域活動を体験して地域を知るワークショップを4回開催します。
次の第2段階では、みずからが担い手としてイベント等を企画運営するワークショップを5回
開催します。
 定員は四谷、牛込箪笥、落合第一、角筈の4地域センターと本庁の各地区20人の計100人
です。開催期間は平成19年7月から平成20年2月で、毎月一、二回、平日の夜間に行う予定
です。
 このようにして団塊の世代等の方々が多様な地域活動へ円滑に参加し、豊かな知識や経験
を地域の中で生かして活躍できるよう努めていきます。
 次に、ボランティア活動の担い手としての団塊の世代の活用についてのお尋ねです。
 御指摘のとおり、現在町会、自治会等の担い手が不足している一方で、退職後に地域で
活躍したい方々がどのようにすれば参加できるのか、わかりにくい状況にあることは認識して
います。
 そこで、生涯現役塾の第1段階のワークショップにおいて、町会、自治会、ボランティア団体等、
塾生が希望する団体へのインターンシップを行って参加のきっかけとし、塾の修了者をさまざまな
地域活動へつなげていきます。
 また、毎月1回、ことぶき館を活用して町会、自治会、ボランティア団体等を紹介する事業や、
新宿わくワーク、新宿区シルバー人材センターの出張就業相談の事業も予定しています。
 さらに今後、こうした事業の実績を検証しながら、シニア世代の方々を地域活動により効果的
につなげるよう検討してまいります。

◎教育委員会事務局次長(今野隆) 教育委員会への御質問にお答えします。
 団塊世代が参加する学校支援の仕組みづくりについてです。
 子どもを対象とした見ず知らずの人からの声かけや不審者の出没などが依然として後を絶たず、
登下校時の安全確保については、犯罪を未然に防ぐ日常的・継続的な取り組みが必要となって
います。

 現在、地域においては既にPTAを初めさまざまな団体が安全パトロールや見守りなどの子ども
の安全確保の取り組みを行っています。しかしながら、地域的な隔たりや活動の頻度・継続性等
の問題や特定の保護者への負担がふえたり、地域との連携が不足しているなど多くの課題を
抱えています。
 教育委員会では、こうした課題に対し、今後、保護者が担い切れない部分への地域、住民が
協力する仕組みを構築するため、安全ボランティア活動促進のための啓発活動や町会・自治会
等の地域団体との連携強化支援を行っていく予定です。こうした安全ボランティア活動の推進を
図っていく中で、「団塊世代」の方も含め地域の人材の積極的な参加を促す仕組みづくりを進めて
まいります。
 以上で答弁を終わります。


《一般質問》深沢としさだ

 自由民主党、深沢としさだであります。
 私は、これからの高齢者福祉について区長に一般質問をいたします。
 介護保険が導入された平成12年度、新宿区の保険給付の予算は98億円でありました。
そして平成19年度予算として審議されようとしております予算額は153億円であり、約1.5倍強
となっております。高齢化率の上昇の影響もあるとは思いますが、この数字を見る限りまずまず
介護保険制度が区民の皆さんの間に定着してきたと考えられるのではないでしょうか。
 しかし、私がまちでお話を伺いますと、介護保険に申請が必要だということを御存じでない方が
たくさんいらっしゃいます。つまり、介護保険料を払っているのだから、必要なときにはいつでも
使えるのだと思っている方々が多いのです。このような傾向は割と元気な方々に見られ、将来に
不安を感じながらも、まだ大丈夫だという安心感が強い方ほど、介護保険が申請制度であること
にお気づきにならないように思われます。
 年齢とともに心身の衰えは間違いなくやってまいります。それに限らず、突然の事故やけが、
病気などの危険も重なってまいります。しかし、その危険をカバーするために、高齢の方々には
「介護保険」がございます。せっかくの高齢者のための制度です。高齢者の方々が少しでも理解
しやすいよう、誤解した知識を持たぬよう介護保険の仕組み、申請の方法等をもっと詳しく周知・
啓蒙を図るべきではないでしょうか。例えば区内各地で行われております高齢者クラブの「誕生会」
「例会」「総会」等に積極的に参加して広報活動を実施するなど、何か行政の側から直接働き
かけるようなことは御考慮いただけないでしょうか、お尋ねをいたします。
 次に、高齢者のための施設の情報提供についてお尋ねいたします。
 老人福祉法に準拠いたしました「養護老人ホーム」という施設があります。新宿区では50床の
「聖母ホーム」がこれに当たります。このような施設では、経済的理由に加え、環境上の理由で
これまでの家庭生活が困難な方が入所の対象とされております。ある程度自分のことが自分で
できる方が入所対象であり、つまり介護の必要性がないというのが原則であります。
 御自分の意思、または家族の希望等で入所する他の施設と異なり、このような「養護老人ホーム」
への入所の判断は、福祉事務所が行うことが多く、入所の形態は措置入所であります。年金制度
の整備が整わない時代にはこのような施設の必要性が重要視されましたが、現代においては
経済的背景よりも、介護の問題の方に重きを置いております。つまり、介護中心となる特別養護
老人ホームの増設は可能でも、厚生労働省は今では「養護老人ホーム」の設置を認めては
おりません。
 現在「養護老人ホーム」でも利用者は高齢化しており、重い介護を必要とする利用者がふえて
おります。ちなみに、聖母ホーム入所者の平均年齢は83歳だそうであります。しかし、先ほども
申し上げましたとおり「養護老人ホーム」では、本来介護が目的ではありませんので、現在の制度
の枠組みでは現実との乖離が激しいものとなっております。
 一方、「特別養護老人ホーム」においては、制度の見直しが行われております。例えば、現存の
ものを個室化するとともに、新たに個室型特別養護老人ホームを開設する際には、家賃相当分の
居住費、つまりホテルコストを徴収するという費用面での見直しであります。住まいの質は向上
されますが、これでは費用の負担が困難な方々からは遠いものとなってしまいます。経済的余裕
がある高齢者のみの施設となってしまっては、他の施設入所待ちの方々の人数は増加の一途を
たどるのではないでしょうか。
 そして、医療施設を利用していた高齢者の方々にも入院は難しいものとなってまいりました。
長期療養型病床群というものがございますが、厚生労働省は長期療養型病床群につき平成24年度
内までに現在の38万床から15万床まで削減することを決定いたしました。これにより、23万床が
減ることになります。この機会に、長期療養型病床群より退院を余儀なくされる方々、そして特別
養護老人ホームへの入所が困難な方、養護老人ホームへの入所対象ではない介護が必要な方々、
そのような方々の受け皿を確保できるように行政から何かできるのではないでしょうか。新たな
施設の設置という長期間を要するものだけでなく、身近なところから始められることとして御提案
申し上げます。
 都内や近隣県主要都市では入所待ちの施設が多いんですが、比較的交通の便のよくないところ
でしたら、都内近隣県の施設でも受け入れに余裕のある民間施設があると聞いております。もちろん
都心よりは入所費用も低いと思われますので、経済的負担も低くなります。
 これらの施設を区で調査していただき、情報を得て区民の皆様への情報提供に役立てるのも
一案ではないでしょうか。右肩上がりに高齢者がふえる中、介護難民と言われる方々を放置する
わけにはまいりません。小さなことではありますが、施設不足解消の一環としてこのような御提案を
させていただきました。これにつき御所見をお聞かせください。
 そして、もう一点の施設不足についてお伺いいたします。
 私は昨年12月初めに、知人の方から御相談を受けました。その方のお父様が9月に脳梗塞で倒れ、
左半身麻痺状態となりました。3週間の入院の後、転院したリハビリ病院において順調にリハビリを
行っておりましたが、病院の方から、正月まではお預かりしますが、1月初めには退院してください
と依頼があったそうであります。お母様も御病気でいらっしゃるし、数時間ヘルパーさんを頼んでも
介護に足るものではなく、在宅での介護はとても無理な状況でした。そこで、どこか病院か施設を
紹介してくださいという御相談でありました。私は某老人保健施設に審査をお願いし、とりあえず
1月早々に入所できるようになりました。ところが、それから1週間後、事情が変わりました。お父様の
認知症が一気に進んでしまったのです。昼夜が逆転し、時間も問わず大きな声で施設の方を呼ぶ
ようになりました。それにより、周りの患者の方から病院へ苦情が訴えられました。そして病院側から
は、一日も早い転院を促されました。幸い最終的には1月中旬に郊外にある認知症専門の病床に
入院することができましたが、それまでの御家族の心労は並大抵のものではなかったと思います。
 現在、日本では認知症患者が急増しております。東京都の調査によりますと、在宅の老年期
認知症出現率は65歳以上で男性3.4%、女性4.6%です。これが85歳になりますと、男性で11.3%、
女性は22.9%と極めて高い確率となってまいります。当然ですが、年齢とともに認知症になる確率は
高くなるのです。そして、超長寿化に伴う深刻な問題として、認知症高齢者を介護する家族も高齢化
しているという現実であります。
 新宿区内では、認知症を認定してくれる病院もあり、区にも相談窓口があるんですが、入院・入所と
いうことになりますと、原町にある「デンマークイン新宿」に認知症3度以上の方のベッドが40床ある
のみであり、とても足りません。区内で無理ならば区外とか隣接各県に目を向け、病院・施設等の
情報を確保しておくべきではないでしょうか。病院と患者との直接契約により入院・入所するわけ
ですが、そこまでたどり着くのは大変難しく、病院・施設を探す段階でかなりの時間がかかるのが
現状です。その時間や手間を縮小するために、行政が何らかの情報伝達を試みるべきではない
でしょうか、お考えをお聞かせください。(拍手)

答弁 伊藤陽子健康部長
 深沢議員の御質問にお答えいたします。
 これからの高齢者福祉についてのお尋ねです。
 初めに、介護保険制度の広報活動についてですが、介護保険制度を正しく理解し、活用して
いただくことは大変重要なことだと考えております。
 区ではこれまで介護保険べんり帳の発行や「広報しんじゅく」、ふれあいトーク宅配便などで広く
周知活動を行い、保険料の通知などで個別に高齢者の皆さんに制度内容の周知を行ってきました。
 これからも御指摘の町会や高齢者クラブの集まりなどさまざまな機会を通じて、わかりやすく介護
保険制度の周知を積極的に行ってまいります。
 次に、近隣の県まで視野に入れた民間施設の情報提供についてのお尋ねです。
 現在、都内の施設に関しては、東京都が「東京都介護サービス情報」という形で施設のサービス
内容やあき情報をホームページで公開しています。埼玉県なども同様の形で情報を公開しており、
地域包括支援センターの相談窓口では、施設から提供されたパンフレットや資料、各種ガイドブック
等とあわせ、区民の皆様に情報提供しているところです。高齢者人口が増加し、介護サービスも
多様化・複雑化する中、個々の事情に合った情報提供していくことがますます重要と考えております。
 したがって、今後もさまざまな媒体から情報の収集に努め、相談窓口での対応を充実したもの
としてまいります。
 次に、認知症の病院・施設を探すことが難しいので、行政が情報伝達を試みるべきではないかとの
お尋ねです。
 都内施設や認知症専門病棟のあき情報については、先ほど申し上げました「東京都介護サービス情報」
や「都立中部精神保健福祉センター」のホームページで確認することができます。
 しかしながら、認知症は御本人の症状や経過が多岐にわたり、御家族の状況や意向もそれぞれ違う
ため、相談窓口に直接御相談いただいた上で情報提供させていただくことが適切と考えております。
 区では地域包括支援センターと保健センターが窓口となり、状況に応じ介護老人保健施設や入院先等
御案内していますが、今後も認知症の方が適切なサービスを受けられるよう情報提供に努めてまいります。
 以上で答弁を終わります。

《一般質問》下村治生

  自民党、新宿区議会議員団の下村治生です。
 町中に溢れるスプレー落書きについて、安心安全なまちづくりの観点から質問いたします。どうぞ誠意
ある御答弁をお願いいたします。
 時々、山手線に乗り車窓から沿線の風景を見ているときがありますが、そんなとき、線路沿いの擁壁や
民家、ビルの壁やシャッターにわけのわからない文字がスプレーで書かれているのを目にします。他区
ですが、目黒から原宿までの間に大変多いように感じます。小田急線でも、下北沢駅付近で落書きを多く
見かけます。
 最近の落書きは、公衆トイレにあった古典的な落書きとは違います。「右を見ろ、左を見ろ、上を見ろ」。
そして天井を見ると「御苦労さん」と書かれた読める落書きではなく、記号ともイラストとも見える、しかし
全く読めない、スプレーによる「タグ」と言われるものがほとんどです。
 私の住まいの近くを見てみると、同様にスプレー落書きが大変多いことに気がつきます。線路沿いや坂道
の擁壁や鉄道などのガード、民家の壁やシャッターばかりでなく、電柱、路上の変電設備、新宿区の消火器
ボックス、町会掲示板、さらには公衆トイレの壁にも見られます。スプレーばかりでなく、意味のわからない
「BNE」などのアルファベット文字や記号のシールもあります。
 民家のシャッターなどは日中あけていることが多く目立たないので、つい見逃してしまいます。「費用が
かかるので一々消さない。たとえ消してもまた書かれてしまうよ。なぜ我が家に書かれてしまったのだろうと
考え込んでしまう」などの声を聞きます。
 NHKの番組「ご近所の底力」によって、スプレー落書きの対策を行っている下北沢商店街の例などが
有名ですが、新宿区でもこの問題に取り組んでいます。鉄道のガードで取り組んだ幾つかの例を挙げて
みますと、次のようです。
 第1に西武線の西武新宿駅から高田馬場駅までの補助72号線沿いの道路擁壁では何度か落書き消しに
取り組んだようですが、消すだけではだめで、落書きの上から路上喫煙禁止や企業、大学のポスターを
張って再度書かれないようにしています。
 ちょっと古くなりますが、西口大ガードには「ミルック」と呼ばれる区民のためのギャラリーが設置され、
通行人の目を楽しませています。大ガードのこの箇所だけは落書きがありません。ただ、反対側やガード
全体を見ると、残念ながらスプレー落書きがたくさんあることに気がつきます。
 第2に、東京都の治安対策本部と連携した取り組みがあります。平成18年には戸山小学校近くの道路
擁壁に子どもたちのかわいらしい壁画がかかれました。東京都では東京都塗装工業協同組合などの
協力を得て、同じ年度に渋谷区、杉並区でも取り組んでいます。
 第3に、民間との協働としての取り組みもあります。落書き対策というばかりでなく、地域活性化の観点
から新大久保駅、大久保駅では商店会、商店街、町会の皆さんによって壁画がかかれ、落書きを防止して
います。大久保駅南口の擁壁には、地元の専門学校による魚の壁画もあります。さらに、高田馬場駅の
ガード下にあったアトムの壁画は今はなくなってしまいましたが、これもその例と言えます。反対側には
現在も落書きが残っています。いずれの例でも、かかれている壁画の部分にはその上から落書きをされる
ということはありません。
 これらの新宿区の取り組みを私は評価したいと思いますが、残念ながら職安通りなどの山手線、中央総武線、
西武新宿線の線路わきやガードについてはまだまだ見苦しい状態が続いています。むしろこれらの地域
ではここ数年、ふえているのではないかと疑うほどです。
 新宿区や区民組織だけでは取り組めませんので、管理者であるJRや西武鉄道の理解、協力が前提
ですが、今申し上げたようなガードと線路の擁壁では対策の強化が早急に必要です。そこで、これらを
整理し幾つかの提案をしたいと思います。
 第1は、落書き対策の基本は古典的ですが、すぐに「消すこと」です。それも一斉に、ある地域を決めて
消すことと言われています。最近よい消去の材料と方法が開発されているようです。費用は幾つかの業者に
聞いてみましたが、材料それ自体はそれほど高くないようです。そこで、これらの材料を新宿区が準備、
区民に提供してはどうでしょうか。一斉にできないという意味では効果は半減するかもしれませんが、区民
みずからが落書き消しを行う決断をしてもらう一つの方法であると思います。東京都では、「落書き防止
マニュアル」の小冊子を発行してその対策に努めています。東京都のノウハウを活用することも考えられます。
ボランティアによる協力も大きなポイントです。
 第2は、先ほどの例のように落書き箇所に壁画をかいてしまうことです。ガードなどではその効果も持続
します。人手や費用、技術の点で課題も多いと考えますが、塗装組合やボランティアの協力を得て、幾つかの
拠点を選んでこれに取り組むことは大いに意味があると考えます。
 第3は、費用や人手の点でハードルが低い、新宿区のさまざまな啓発パネルや大型ポスターをはることで
あると思います。ポスターをスプレー落書きの上からはってしまうという方法です。先ほどの電柱や消火器
ボックスなどの小さな箇所にはポスターではなく、啓発用の小さなシールを利用すれば、防止キャンペーン
にもなります。
 第4は、再犯が繰り返される地域では、ごみの不法投棄の例のように防犯カメラの設置が考えられます。
実際にその効果もねらって取り付けた新宿駅東口の商店会の例もあります。
 第5は、落書き防止条例の制定が考えられます。残念なことですが、ここに至っては落書き防止条例の
制定を視野に入れるべきと思います。
 これまで、法的には刑法の器物破損罪で3年以下の懲役または30万円以下の罰金というものでしたが、
落書き犯罪はごく一部の人間が行っており、一種の縄張り争いのような面もあり、再犯の可能性が高いと
考えられております。
 景観を乱す犯罪として、また軽微であろうともさらなる重大な事件を誘発する犯罪として取り締まるべきで
あると考えます。
 実際、落書き防止条例を制定している奈良県、鎌倉市など幾つかの自治体があると聞いております。
貴重な文化財を守るために制定されたもので、新宿区とは目的が異なりますが、都市である千葉市の例も
あります。
練馬区のようにポイ捨て条例と一緒に制定している区もあります。検討してみてはいかがでしょうか。
 そこで、区長に質問いたします。
 第1に、新宿区としてこれらの現状をどのようにお考えなのでしょうか。特に安心安全なまちづくりを中山
区長を先頭にこれまで重点施策として取り組んでこられたわけですが、景観の問題ばかりでなく、これらの
観点からお考えをお聞かせください。
 第2に、今後どのような対策をとっていくのかお伺いいたします。
 先ほどの提案についてのお考えも含めてお聞かせください。落書きを消そうという区民には消去材料を
準備したり、共同で消す作業を住民やボランティアと比較したり、「スプレー落書き防止キャンペーン」を
視野に
入れて積極的にこれを行うお考えはないでしょうか。
 第3に、落書き防止条例の制定について、新宿区のお考えをお聞かせください。
 以上、3点をお伺いいたします。

答弁 邊見隆士環境土木部長
 下村議員の御質問にお答えをいたします。
 初めに、新宿区における落書きの現状と安全対策との関連についてのお尋ねです。
 落書きは公衆トイレや消火器ボックスなどのほか、鉄道のガード下や道路の擁壁、さらには商店街
のシャッターなど民有施設にまで及んでいます。
 区ではこれまで、公共施設に落書きされた場合にはこまめに消去するなどの措置を講じてきました。
また、御評価いただいているとおり、大久保駅や新大久保駅のガード下に地元の方々と協力して壁画を
描いたり、線路脇の擁壁に鉄道事業者と協力して落書き防止パネルを設置するなど、落書きしにくい
対策も講じてきました。
 しかしながら、まだまだ落書きがされている現状も多くあります。落書きは個人財産に大きな損害を
与えるばかりでなく、まちの美観やイメージを損ないます。落書きしやすい状況を生み出し、これを放置して
おくことは、まちが荒廃する端緒になるとも言われています。御指摘のとおり、軽微な犯罪がさらなる
重大な犯罪を誘発することにもつながりかねません。したがって、落書きを防止し、良好な景観を維持
することは、安全で安心なまちづくりの面からも重要であると考えます。
 次に、落書き対策についてです。
 御提案にもありましたように、落書きはすぐに消すことと一定の地域で一斉に消すことが効果的であり、
地域の方々との協働による取り組みが重要であると考えています。そのため、区では落書き消去の
ための材料の提供や、落書き防止に向けたキャンペーンの実施などについて検討していきます。
 また、路上喫煙禁止のポスターやシールを貼付するなど、落書きしにくくする対策についてもそれぞれの
施設の管理者と協議しながら取り組んでまいります。
 次に、落書き防止条例の制定についてのお尋ねです。
 落書きは、刑法上の器物損壊罪に当たり、懲役や罰金などの罰則が科されます。さらに、常習性を
伴った場合には暴力行為法違反との判例もあります。
 落書き防止条例制定の御提案については、お話のように条例化している自治体もありますので、
その考え方や運用状況などについて調査・検証してまいります。
 一方、「落書きは犯罪である」との認識のもと、現行法での対策を強化することが重要であると
考えます。このため区では、警察へ取り締まりの強化などを要請するとともに、地域の方々との協働に
よって落書きをなくし、安全で安心なまちづくりを進めてまいります。
 以上で答弁を終わります。

《一般質問》おぐら利彦

 自由民主党のおぐら利彦です。
 本日、最後の質問となりました。もうしばらくですので、皆さん何とぞよろしくお願い申し上げます。
 私は、「学校選択制」と「魅力ある学校づくり」について質問させていただきます。
 大都市部で初めて学校選択制を導入した品川区において、昨年11月に選択希望者数が受け入れ
可能数を上回った小学校の抽せんが行われました。反面、同区においては入学数がゼロとなった
中学校もあったとのことです。この原因について品川区は、「学区内にある団地特有の現象、つまり
団地の高齢化に大きな原因がある」としております。私は、この言葉を信じたいと思っております。
新宿区において、この学校選択制が導入される前に、私は「学校選択制」と統廃合は基本的に
異なった考え方で実施すべきであり、統廃合に影響が出ないよう最大限の注意を払うべきだと
文教委員会で何回か発言させていただきました。
 新宿区教育委員会のホームページで、平成19年度の小・中学校の申し込み状況を拝見させて
いただくと、小学校では四谷小学校と西戸山小学校が、中学校では西早稲田中学校と落合中学校が
受け入れ可能数を希望者が上回り、抽せん実施校となっております。
 しかしながら、選択結果を見ると、小学校では入学希望者が30名未満の学校が6校あり、中学校
では100名以下が3校となっております。この中から私立小・中学校等へ入学を希望する方の数を
考えると心配な部分もございます。
 また、平成18年7月実施の学校選択制に関する保護者アンケートを見てみますと、小学校では
現在通っている学校に「大変満足している」、または「満足している」と答えた方の理由として、
構成比10%を超えているものを多い順に見ると、1、自宅からの距離・通学の安全、2、子どもの
友人関係、3、通学区域の学校となっており、「満足していない」と答えた方の理由は、1、先生の
指導や熱意、2、学校公開・見学での印象となっております。
また、通学区域の学校を選ばなかった方の理由としては、1、子どもの友人関係、2、自宅からの
距離・通学の安全、3、児童・生徒数の少ない学校、4、兄・姉が他校に通学しているとの結果です。
 同様に中学校では、現在通っている学校に「大変満足している」、または「満足している」と答えた
方の理由として、1、自宅からの距離、通学の安全、2、子どもの友人関係、3、先生の指導や熱意、
4、通学区域の学校となっており、「満足していない」と答えた方では1、自宅からの距離、通学の
安全、2、先生の指導や熱意、3、子どもの友人関係。
 また、通学区域の学校を選ばなかった方の理由としては、1、子どもの友人関係、2、自宅からの
距離・通学の安全、3、学校のイメージ・評判となっております。選ばなかった理由とは、通学区域
以外の学校を選んだ理由と置きかえてもいいかと思います。
 「大変満足している」「満足している」の理由の上位に、教育活動の内容、特色、あるいは学校の
教育目標、方針という項目が入らなかったことに対し、大変残念に思っております。
 この結果を見る限り、新宿区教育委員会からの「学校選択制のご案内」に書かれている「魅力ある
教育活動の推進と開かれた学校づくりを目指して、区立小・中学校へ入学する際に、保護者の皆さん
が主体的に学校を選択できる学校選択制を実施しています」という趣旨が理解されていないように
思います。どちらかというと、保護者は学校の教育内容や特色よりも距離、安全性、友人関係、そして
兄弟関係などによって学校を選択しているようです。
 また、小規模学校をあえて選ぶ保護者もおりますが、生徒数の多い学校に子どもが集まる傾向も
あるように思われます。
 距離、安全性、友人関係、兄弟関係なども大切ですけれども、学校選択制は、保護者がさまざまな
特色を持った学校の中から、この学校で自分の子どもを学ばせたい、またその学校で自分も保護者の
一人として学校教育に携わり、ともに支え合っていきたいと思うことにより、そのよさが発揮されます。
それには魅力ある学校づくり、特色ある学校づくりをもっとしっかりとしていかなければなりません。
公立小・中学校の一番のよさは、地域に密着しているところです。地域の中で子どもが育つことは
大切なことです。新宿区では今も特色ある学校づくりには力を注いでいただいておりますが、もっと
地域の方々に携わっていただく必要があると思います。
 そこで、お伺いさせていただきます。
 第1は、「学校選択制」と「統廃合」との関係についてです。
 「学校選択制」は先ほど述べさせていただいたとおり、「この学校で子どもに教育を受けさせたい」と
の思いを実現させるための制度であり、「統廃合」は子どもたちの教育環境をよりよいものとするための
手段の一つです。教育委員会は、この両者の関係をどのようにお考えでしょうか。また、通学区域内に
子どもがいるにもかかわらず、選択制により入学する生徒が極端に減ることについてどのようにお考えか
お聞かせください。
 第2は、「魅力ある学校づくり」「特色ある学校づくり」についてです。
 これについては、今以上、地域に参加していただく必要があると思います。それには四谷中学で
準備をしているコミュニティスクールなど積極的に取り入れ、地域に開かれた学校づくりをもっと推進して
いく必要があるかと思いますが、新宿区ではどのようにお考えですか。
 また、ことし4月からは四谷小学校に四谷子ども園が併設されますが、これも「特色ある学校づくり」の
一つです。他区においては、小・中一貫校を積極的に取り入れているところもありますが、このような
取り組みについてはいかがお考えですか、お聞かせください。
 第3は、各学校のホームページを拝見させていただきましたが、必ずしも全小・中学校が学校の特色を
明確に打ち出しているわけではないように見受けられます。
 先ほど述べたアンケートの中で「学校を選ぶ上でインターネット、ホームページは参考になったか」
という質問に、小・中学校で「大変参考になった」「参考になった」を合わせて60%いる反面、40%の方が
「参考にならなかった」と回答しております。もっとその学校の特徴を全面的に出すとともに、例えば各学校
の特徴がわかりやすいように新宿区教育委員会のホームページで一覧表にするなどの取り組みも有効か
と思いますが、いかがでしょうか。
 以上、3点についてお伺いいたします。よろしくお願いいたします。

答弁 今野隆教育委員会事務局次長
 おぐら議員の御質問にお答えいたします。
 初めに、学校選択制と統廃合の関係性についてのお尋ねです。
 学校選択制は、御指摘のとおり魅力ある教育活動と開かれた学校づくりの促進を目的とし、児童・生徒、
保護者の選択権を保障するとともに、地域に支持される学校づくりを目指すものです。
 一方、学校適正配置は学校規模及び配置の適正化を図り、さらに施設の老朽化にも対処していくもの
です。
 両者は事実上、相互に影響する面はありますが、その目的とするところは異なります。
 また、選択制による児童・生徒の減少をどのように考えるかということですが、教育委員会としては児童・
生徒数に応じた支援を進めるとともに、学校やPTAなどと協議しながら、個々の学校の特性に合わせた
特色ある学校づくり、魅力ある学校づくりを実現し、地域に選択される学校となるよう努めてまいります。
 次に、「魅力ある学校づくり」「特色ある学校づくり」についてお答えします。
 これまでも区立学校は、子どもや地域の実態に応じた特色ある教育活動に取り組み、地域に開かれ、
信頼される学校づくりを進めてきました。今後も学校評議員など地域の方々や保護者の声を反映し、
「魅力ある学校づくり」「特色ある学校づくり」を推進してまいります。
 コミュニティスクールは、地域、保護者が積極的に学校運営に参加するという意味で、特徴的な取り組み
です。四谷中学校の調査研究を踏まえ、地域の実情等を勘案し判断してまいりたいと考えています。
 小・中一貫教育については、来年度から始める連携教育の推進状況とあわせ、新宿区の実態と他区市
の取り組み状況を考慮しながら、その必要性について検討してまいります。
 次に、ホームページについてです。
 各学校においては、これまでも確かな学力の育成や創意工夫を生かした活動を展開してきており、
これらの特色ある教育活動を発信する方法の一つとして、ホームページを活用してきました。
 これまでその発信内容や表現の仕方については、学校ごとに工夫を凝らしてきました。しかし、御指摘
のように保護者の40%が「参考にならなかった」と答えていることを真摯に受けとめ、学校の特色をより
わかりやすく伝える工夫をしなければならないと考えます。
 教育委員会としても、特色ある学校づくりの取り組みを推進するとともに、その活動が保護者や地域の
方々に御理解いただけるように学校の情報発信について指導助言してまいります。
 以上で答弁を終わります。