《代表質問》 秋田ひろし 平成19年2月22日
私は、平成19年第1回定例会に当たり、自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問
をいたします。何とぞ誠意ある御答弁をお願いします。
我が国の経済は、戦後最も長い5年半の連続の拡大を続けております。この拡大も今のところ企業の
収益増にとまり、個人所得の増加はいま一つの感があります。この企業業績の増大は、国や東京都の
財政の改善に好景気を及ぼしていますが、新宿区はどうでしょうか。区税はそのほとんどが個人の所得の
消費によるものであり、現状では必ずしもその好調の益に浴しているとは言えないように思われます。
このように、今回の景気の好調は必ずしも国・都・区の財政に横並びで好景気を与えてくれているもの
ではないようでもあります。また、いよいよ平成19年度より三位一体改革により税源移譲が動き出します。
それに伴い、個人住民税が一律10%課税に変わることで、その変更が区民税収入にどう影響するか
各区にとってもまちまちのようであります。このことも当区にとって気になるところであります。
ところで、23区特別区と都との間で長い間懸案事項でありました都区財政調整の財源配分率が
特別区55%、東京都45%でやっと決着を見ました。この決着内容に対する評価は分かれるところでも
あるようですが、長い間の懸案事項が決着を見たことであり、これからの特別区と都の関係を前向きに考え、
特別区の自主・自立の対応をさらに高めていくことが大事であると思います。
昨年12月には改正教育基本法が成立しました。今最も重要視されている教育の再生がこれから始まります。
教育は学校での教育だけではありません。家庭における教育、とりわけ幼児期のしつけと教育が大事で
あります。今回の改正教育基本法では、前文に伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と
郷土を愛する態度を養うことを掲げ、家庭教育、幼児期の教育、生涯学習の態度などの条項が新たに
盛り込まれました。これから学校教育法などの改正がなされ、その具体的実施方針が示されることと
なりますが、この改正教育基本法の成立による教育の再生を期待したいと思います。
新宿区では、平成19年度で平成10年度に策定しました基本計画が完了することになります。したがって、
今回の定例会で審議します平成19年度予算はこれまでの基本計画の総仕上げの予算であり、これまでの
10年間の区政運営を検証することでもあります。そしてまた、平成19年度は平成20年度からの10年間を
想定した新しい基本計画を策定する年度でもあります。
また、中山区長にとっては2期目の区政運営の出発の年であり、策定された基本計画は地方分権時代
の始まりを踏まえ、大都市を構成する新宿、そして新しい自立・新宿を考え、都との関係、23特別区相互間の
関係などの大都市行政をも見据えた上で、今後のよりよい新宿区を目指しての計画策定であろうかと
思いますが、その計画に期待したいと思います。
また、この4月には都知事選挙と都議会議員選挙が行われます。区議会議員選挙は、新宿区の定数は
地方自治法では46名も可能ですが、それより8名少ない現状と同じ38名の定数で行われることとなりました。
このところ投票率が余り芳しくありません。選挙で投票することが区政への参加の第一歩であり、区政への
意思表示でもあります。したがって、一人でも多くの方に投票していただき区政に関心を持っていただき、
よりよい住民自治、すなわち新宿区政が行われることを期待したいものであります。
以上申し上げて、以下、質問に入らせていただきます。
まず、区長の「区政の基本方針」説明に関してお聞きします。
区長は基本方針の初めに地方分権、都区の事務配分等に関することに触れて、国や都の動きを十分
注視しながら、みずからの地域をみずからの決定と責任のもとでおさめていく能力と体力を一層磨かなければ
ならないと述べ、そのためには住民の参画、住民との協働の必要性、行政の透明性、職員の資質向上の
大切さを強調されました。
そして、区政運営の基本認識として3つの課題を提示されました。
それは第1に、自治の枠組みを確かなものにすることで、地区協議会の機能強化を図るための支援。
第2には、団塊の世代の受け皿づくりを進めることとして、シニア世代の生涯現役社会を実現されるための
支援。第3に、行政の役割を再確認することで、行政自らが公共サービスを提供するのではなく、多様な
団体等との協働のコーディネートが大事であると述べられました。
さらに、課題として第1には、新しい時代を担う子どもの育成、第2には、高齢者、障害者などだれもが
生き生きと暮らせる地域社会づくり、第3には安全で快適な文化の薫るまちづくり、第4には柔軟で多様な
開かれた参画システムの構築を挙げ、それぞれの課題として具体的な施策、事業について説明され、
これらの推進体制としてこれまでどおり効果的・効率的な行政運営に取り組む、また新しい実施計画、
行財政改革計画の策定への着手、組織の改革、調査・研究などを行う機関の設置、外部評価制度の導入
などを挙げられました。確かに今、地方自治は大きな変革期にあります。このようなときにこそこれまでの
慣行を見直し、より効果的かつ効率的な行政運営が必要であり、またそれに資する組織と職員の能力
啓発が求められていると思います。区長の基本方針説明にはその意気込みがあらわれており、その実現に
大きな期待が持てています。
私には区長の意気込みが伝わってきていますし、その考えにも共感できますが、これを実現するには、
全職員が区長と一体となって取り組むことが最も必要でなかろうかと存じます。全職員が新宿区のため、
新宿区民のために日夜励んでおられることは承知しております。しかし、今までの組織や慣行の変更は
職員にとっては、我々が考える以上に大変なことであると思います。職員組合もありますし、職種も多様な
ものがあり、職場の勤務条件もそれぞれ違いがあると思います。したがって、ある程度の時間と職員への
説明などが必要と思いますが、そのことは怠りないものと思います。
そこでお聞きしますが、職員に対してこれまでにどのような対応をしてこられたのか、またこれから
どのように対応されるのかお聞きします。
次に、平成19年度の予算についてお聞きします。
予算に関します最初の質問は、予算の概要についてであります。
平成19年度の予算は一般会計1,186億2,700万円、国民健康保険会計が340億9,600万円、老人保健
会計が218億7,800万円、介護保険会計が167億9,400万円であり、4会計の合計は1,913億9,500万円
となり、前年度より111億円、6.2%の増となっております。
一般会計の歳入では、先ほどもちょっと触れましたが、特別区民税のフラット化、これと関連しての所得
譲与税の廃止による皆減、区民税の定率減税廃止による地方特例交付金の減、都区財政調整制度の
財源配分率の改定による影響、また箱根早雲山の区民保養所のあじさい荘の廃止に伴う賃貸保証金の
返還、前年度には計上しなかった財政調整基金の繰入金の計上などが歳入予算における前年度と異なる
点かなと思います。
また、歳出においては、義務的経費において前年度に比べ公債費が16%減少し、投資的経費が33%の
増額となっており、財政状況の好転が反映をしているのかなと思われます。また、施策別で見ますと、
新規事業が事業数、予算額とも減でありますが、計画事業、拡充事業ともに増となっており、特に
拡充事業は事業数、予算額ともに大幅にふえているのが目につきます。これは財政状況の好転に加えて、
区民生活のさらなる暮らしよさを目指した予算であると思われます。とりわけ障害者の自立と地域生活の
支援策の充実、税制改正等の影響緩和策の計上が目につきますが、これは非常にきめの細かい思いやりが
うかがえる予算であると評価したいと思います。
このように平成19年度の予算編成は制度の変更などがあり、例年にも増して苦労を伴う予算編成で
あったことと思いますが、ここでお伺いをします。
予算編成に当たって特に留意されたことはどんなことであったのでしょうか。また、平成19年度の年度間を
通しての歳入見込みはどう見込んでおられるのでしょうか。予算特別委員会の設置が予定されておりますし、
詳細についてはそこでお聞きしたいと思いますので、総括的にお答えいただければなと思います。
予算に関する次の質問は、都区財政調整制度に関してであります。
平成12年度の都区制度改革により、都からの清掃事業などの事務移管に伴う都区財政調整制度の
協議は、財源配分などを初めいわゆる5課題が懸案事項として残り、その協議が平成18年度まで続き
ました。平成18年度の協議でも財源配分などはまとまらず継続となり、その財源配分は今回何とか決着を
見ました。調整率は区側の主張55%、都側の主張54%でどちらも譲らず難航しましたが、結果は区側の
要求どおり55%となりました。そのうちの1%は、都の補助事業を区の自主事業とするとのことで、いわゆる
都補助金の代替措置であります。したがって、また区側は名をとり、都は実をとったといったところであります。
また、普通交付金と特別交付金の割合もこれまでの普通交付金98%、特別交付金2%が95%対5%と
なりました。都の補助事業が自主事業となることは、財源を別に考えると、区の自主性がそれだけ増した
ということだとも考えられます。
また、特別交付金の割合の増は、今回は不交付区である港区、渋谷区の区民税のフラット化により
税収減になるその激減緩和措置とも言われているようですが、またこんな考え方もできるのではないか
と思います。それは、普通交付金は財政需要額を23区横並びに算定するいわゆる固定的・限定的な
算定方法であり、特別交付金の割合の増はその算定の弾力性が増し、柔軟な対応が可能になることだと
考えられないでしょうか。
また、都区財政調整制度は、都と23区の縦の関係と同時に23区間の横の関係も含んでいます。横の
関係でいいますと、都心区と周辺区との財政力の違いは相当なものがあります。したがって、単なる財源の
調整だけでなく、地域住民、企業の負担にも考慮した対応が必要ではないかと思います。また、東京が
大都市であることからしますと、23区全体が一つの都市であることにも考慮すべきことは無論であります。
したがって、23区間での協議、相互理解、協調が必要であります。
昨年10月に世田谷区では、独自の都区財政調整制度の改革試案を発表しました。現行の財政調整制度
の中での議論だけでなく、その枠を越えて制度そのものについてのこのような試みも意義あることでは
ないかとも思います。
いずれにいたしましても、これまで長い間、23区と都との間で対立してきた懸案事項が解決を見たことで、
これから都と23区がお互いに協力し、よりよい大都市行政の推進に取り組める環境ができたと言えるのでは
ないでしょうか。ぜひそうあってほしいものであります。
そこでお聞きします。区長は今回の都区間での決着をどう評価しておられるのでしょうか、また新宿区
にとってどうなのか、それもあわせてお答えをください。
次に、区民意識についてお聞きします。
新宿では毎年区民意識調査を実施しておりますが、平成18年度もこれまでと同じ調査設計で、その調査
内容も定住性や行政への関心、要望など毎年行っている5項目、そしてその年度の特殊調査項目としては
「暮らしやすく住み続けられる新宿を目指して」を取り上げ、コミュニティ意識、協働意識など具体的な11項目
について実施されました。その回収結果は、標本数2,500人に対して有効回収数は1,209人、回収率は48.4%
であります。この回収率を出張所ごとに見てみますと、箪笥町の50.9%が最も高く、四谷の42.8%が最も
低くなっています。どこもおおむね47%から48%の回収率となっています。また、平成13年から見てみますと、
51%から徐々に低くなってきていますが、こちらもおおむね47%から48%の回収率であります。
また、回答者を年齢別、ライフステージ別に平成13年度と比べてみますと、年齢別では20歳代が低くなり、
60歳代以上が高くなっています。また、ライフステージ別では、40歳未満の独身世帯が低くなり、65歳以上の
高齢者と40歳から64歳の独身者と40歳から64歳までの子どものいない世帯数が高くなっています。これは
今の社会状況が如実にあらわれているように思われます。
そこで、区民の意識を見ますと、定住性については新宿に住み続けたいと思う人はほぼ70%で変わり
ありませんし、また区政への関心度もほぼ70%が「関心ある」でこれも変わりありません。この関心度で
「関心がない」と答えた人にその理由を聞いておりますが、「区政がわかりにくいから」が平成13年度の
31.2%が平成18年度では17.7%、大幅に低くなっているのが目につきます。これは中山区長の区民に
開かれた透明性の高い区政運営の成果のあらわれであり、高く評価できることだと思います。
一方、施策に対する要望を見てみますと、高齢者福祉が相変わらず毎年一番多い要望ですが、次に
多いのは平成13年、平成14年度では環境美化、ごみ減量、リサイクルなど環境施策でしたが、平成15年度
から平成18年度では防犯・地域安全対策であり、また平成18年度では子育てが続いて高い要望であります。
環境施策も8番、9番目と依然として高い要望でありますが、ここ数年で区民の要望も大きく変わってきて
いることを示しております。このような区民の施策に対する期待、要望の変化は、当然区の施策の取り組み
にも影響することだと思います。
そこでお聞きします。区長はこの平成18年度の区民意識調査をごらんになって、どのような感想をお持ち
でしょうか。また、この区民意識を区政にどのように反映させようと思われるのでしょうか。そして、平成19年度
予算に取り入れた事項があるならば、どういう施策か具体的にお示しをいただきたいと思います。
最後に、教育委員会にお聞きします。
いつの時代も教育は国にとって、国民にとって、最も重要な課題であります。その国、その社会を支え、
担う人材の育成は教育にかかっているからであります。教育のよしあしがその国、その国民の運命を
決めることにもなります。我が国は、江戸時代から寺子屋により庶民の教育がなされ、その成果が明治
以降、我が国の近代化を進める大きな力となってきました。現在、その教育の中核を成すのは義務教育であり、
小・中学校がその役目を担っているわけであります。
その教育に近年いろいろな問題点が指摘されるようになってきました。それも学校や教育委員会が
その標的にされている感があります。無論、問題のすべてが学校にあるわけではありませんが、教育と
なればどうしてもまず小・中学校がそのやり玉に挙げられます。これもある面では仕方のないことかも
しれませんが、この問題は我々一人ひとりが自分自身の問題として真剣に考えてみることであり、今こそ
それが必要なときではないでしょうか。
新聞紙上での論調は、学級崩壊、いじめ、学力低下、体力低下、給食費未納などについて国や教育
委員会や学校だけに責任があるように言っていますが、ここはもう少し冷静に考えてみる必要があると
思います。冷静に考えれば、保護者や地域社会にも反省の余地があることがわかってくるはずであります。
まずは、保護者が我が子に授業時間だけでも静かにできるように忍耐力とその意味を教えておくことでは
ないでしょうか。我慢も大事なことであります。学級崩壊は一人の児童の秩序無視で始まるのであります。
保護者、地域社会、学校、教育委員会、国が共通認識を持つことが教育再生には必要であると思います。
新宿区教育委員会では、平成14年に新しい教育目標を定め、これまでの教育目標に沿って教育を
進めてきています。
その教育目標は、広い視野と思いやりの心を持つ人、地域の一員として社会のルールを守る人、個性や
想像力が豊かでみずから学び行動する人を育てる教育を推進するとしています。そして、その教育目標は、
平成19年度の教育方針では5つの基本方針を掲げています。
その基本方針は、1、地域社会や国際社会において信頼される人を育てる教育の推進、2、確かな
学力の育成と個性や想像力を伸ばす教育の推進、3、魅力ある教育環境づくりの推進、4、学校・家庭・
地域の教育力の向上と連携強化、5、生涯にわたって学び続けられる環境の整備であります。
教育目標、教育方針はもっともなものであります。これによる教育がなされれば言うことはないわけですが、
教育にはある面では教える側と学ぶ側の相対する関係があります。幾ら教える側が完璧であっても、
学ぶ側がそれにこたえるものでなければ、効果は半減すると思います。
現在問題になっている一つには、その学ぶ側の対応があると思います。これはさきに述べました保護者、
家庭の対応であります。さきに触れました教育方針でも、家庭の教育力向上と連携が掲げられておりますが、
このことは非常に重要なことだと思います。
教育は現在特に重要なことであり、安倍内閣も最重要事項に掲げ、取り組むと言っております。教育は
我々にとって最も身近なことであり、国の施策を待つことなく我々も考えてみることが意義あることだと
考えます。
そこで教育委員会にお聞きします。教育委員会では子どもを学校を含めた社会全体ではぐくむ視点から、
現在の教育の現状をどのように認識しておられるのでしょうか。また、新宿の状況と今後の取り組みに
ついてどのように考えておられるのか、その所信をお示しください。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。
中山弘子区長答弁
秋田議員の御質問にお答えします。
区政の基本方針説明についてのお尋ねですが、御指摘のとおり区政の基本方針の内容を実現して
いくためには、全職員が私と一体となって取り組んでいくことが必要です。
そのために私は、区政運営についての基本的な考え方や思いを明確にし、職員と共有することが大事
であり、区民の目線で物事を考えることができ、施策を推進することができる職員を育成することが必要だ
と考え、その実現に努めてまいりました。
そこで、区政の第一線でリーダーとして活躍している係長級職員が毎月1回参加し、それぞれの職場の
課題について私と直接話し合う機会を3年前から続けてまいりました。こうしたことにより、区政運営の
基本的な考え方について、多くの職員と共有化が図れてきていると感じています。
また、「区長への手紙」への回答など各所管から報告されてくる事案について、担当職員と話し合うことで、
具体的な事例を通して区民目線の意味や私の思いが伝わったと考えています。
また、地方分権化の流れの中で庁内分権を推進し、各部が主体的に政策を立案できる組織をつくって
いくことも基礎自治体としての力量を高めていく上で必要と考えています。
そこで各部では毎月、経営会議を実施し、区政における所管業務のあり方などについて検討するなど
管理職員のマネジメント能力の向上に努めてきました。
これからは限られた職員数で今まで以上に住民の参画や住民との協働を推進し、行政の透明性が
確保された区政運営を図っていく必要があります。
そこで、今後はこれまでの取り組みに加えて、職員の努力や業績が適正に評価され、処遇に反映され、
人材育成にもつながる目標管理型人事考課制度の活用も行っていきたいと考えています。
この制度では、区政の基本方針や基本計画の考え方が部や課の組織目標を通し、職員一人ひとりの
職務目標の中に盛り込まれます。
また、目標設定時には所属長と職員が十分に話し合うことで、その職層に応じた適切な水準の目標が
設定され、人材育成にも資するものです。
こうした取り組みを通じて、今後一層、区政運営への思いを職員と共有化し、住民の目線で物を考え、
地域課題を解決していくことのできる職員の育成に努め、区民の皆様とともに「暮らしやすさもにぎわいも
一番の自治のまち新宿」の実現に向けて努力していく決意でございます。
次に、平成19年度予算についてのお尋ねです。
まず、平成19年度の予算編成に当たり特に留意した点としては、平成19年度が後期基本計画、
第四次実施計画及び第二次行財政改革計画の総仕上げの年度に当たることから、これらの計画が
掲げる目標の達成に向け着実に前進すること。また、生活者の視点から区民の暮らしやすさの向上を
目指し、子育て支援の充実、高齢社会への対応、安全安心の社会づくり、障害者の自立と地域生活の
支援、そして住民税の定率減税の廃止や障害者自立支援法に基づく事業再編等によって生じる主に
所得の低い区民の方の負担増に対する緩和措置の5つのテーマに対し、基礎自治体として効果的かつ
機動的な対策を講じていくことを主眼としました。
さらに、地区協議会に対する支援の充実や協働事業提案制度に基づく5つの事業を予算化するなど、
協働と参画の取り組みの一層の充実を図りました。
加えて、次期基本構想、基本計画と歩調を同じくする障害者計画、健康づくり行動計画及び環境基本
計画など各種行政計画の策定や見直し等による新たな区政の基礎づくりにも取り組むこととしています。
平成19年度予算は、このように区民の暮らしを第一に置いた施策の展開と新たな区政への展望を開く
ことを基本に編成したものです。
次に、平成19年度の歳入の動向についてですが、特別区民税の所得割税率フラット化や都区財政調整
交付金の区側財源配分率の変更等の変動要因は、可能な限り当初予算に反映させていますが、
平成19年度に生じる一般財源の変動は、これまでの財政運営には例がない大きな変動となる見込み
のため、特別区民税の課税状況や都区財政調整交付金の当初算定の結果等について十分に注視して
いく必要があると考えます。
また、平成18年度決算剰余金や4月以降の都区協議に基づく都区財政調整交付金の特別交付金増額分
については、平成19年度の財政運営において予算の補正を含め適切な対応を図ってまいります。
次に、平成19年度の都区財政調整についてのお尋ねです。
平成19年度の都区財政調整協議は、三位一体改革の影響に対応する区側財源配分率の見直しを
めぐって都区の意見が対立し、12月初旬の段階では都区協議が一時、膠着状態となりました。
その後、12月末になり、都側から三位一体改革の影響への対応として、区側財源配分率の2%アップ、
都支出金の一般財源化対応として1%のアップ、また交付金総額に対する特別交付金割合の2%から5%
への変更の3点を内容とする新たな提案がなされ、区側は1月の区長会でこの提案を協議し、これを了承
したものです。
私はこうした都区の厳しい協議を経て区側財源配分率を52%から3%アップした55%とすることができた
ことについて、特別区の自治の拡充につながるものと評価しています。
また、今回の合意では、特別区民税の所得割税率のフラット化の影響を交付金算定に適切に反映させる
ため、フラット化により特別区民税が増収となる区の普通交付金は減となる一方、特別区民税が減収となる
区の普通交付金が増となる算定方法を採用することとしています。この結果、平成18年度に比べ特別区民税
が減収となる新宿区では、交付金算定上の基準財政収入額も減となるため、基準財政需要額と収入額の
差引結果である普通交付金で、減収相当分として25億円の増収を見込んでいます。
そして、今回の見直しにより、当面の都区財源配分率は安定することとなりますが、特別交付金の算定
ルールや区間配分に係る区の主体的な調整の反映など、なお都区間で整理が必要と考えられる課題に
ついて、引き続き協議を進めてまいります。
なお、今後は都区の事務配分や税財政制度など都区のあり方の基本的方向について、都区のあり方
検討委員会で検討してまいります。
次に、平成18年度の区民意識調査についての感想とその結果を区政にどのように反映させていくのか、
また平成19年度予算にどう取り入れたのかとのお尋ねです。
御指摘のように平成18年度意識調査を見ますと、以前に比べ区の施策に対する区民の期待や要望は
大きく変化してきています。これは、地域の実態や区民のライフサイクルの多様化に伴う区民の意識の
変化を如実にあらわしたものと思います。
私は、現場現実を重視した区政を実現していくためには、その時々の区政への要望や区民の生活実態
を的確に把握し、区政に生かしていくことが何よりも大切であると考えています。このため、各部においては、
昨年10月に公表した平成18年度意識調査速報版を踏まえ、平成19年度の予算見積もりを行っており、
予算編成作業の中でも活用いたしました。
それらを踏まえ、平成19年度予算案では、施策要望の高い高齢社会への対応として、高齢者が住み
なれた地域で安心して介護サービスが受けられる環境整備や高齢者緊急ショートステイ事業などの
拡充をするとともに、これから退職を迎える団塊の世代等のシニア世代を対象に地域での社会参加を
支援するための生涯現役塾などについても新たに実施することとしております。
また、安全安心の社会づくりでは、高齢者居住住宅への火災警報器の設置を行うとともに、区が管理
する街路灯の一斉照度調査を行い、順次、照度アップの改善などを図ることとしています。
さらに、子育て支援の充実では、子ども医療費助成や妊婦健康診査費助成事業など子育て世代への
経済的支援についても拡充するなど、区民の要望も高く必要性、緊急性の高い分野に重点を置いた
予算配分を行ったところです。
今後とも区民意識調査や区長トークなどさまざまな機会を通していただいた区民の皆様の意見を十分
踏まえ、常に区民の視点、生活者の視点から総合的に区政の課題をとらえ、区民の皆様の暮らしやすさの
向上を目指した施策を展開してまいります。
以上で私の答弁を終わります。
金子良江教育長答弁
教育委員会への学校教育についての御質問にお答えします。
御指摘のとおり、教育の中核を成すのは義務教育であり、区立小・中学校がその大きな役目を担って
いると受けとめております。
しかし、現在抱えているさまざまな教育の課題は、学校だけで解決できるものではありません。学校、
家庭、地域社会がそれぞれの責任と役割を自覚し、緊密な連携のもと、子どもたちを育てていくことが
大切であると認識しております。
新宿区でも、どの学校でも保護者や地域と連携・協力しながら確かな学力の育成や今直面している
いじめの問題や心と体の健康づくりなど自校が抱えている課題に真正面から取り組んでおります。
今後も家庭や地域社会が学校と課題を共有して解決を図るために、家庭訪問や保護者会などを通し
連携を深めたり、学校評議員会の活性化を図ったりするなどして家庭、地域とのより積極的な支援、
協力体制ができるよう努めてまいります。
以上で私の答弁を終わります。