平成20年第1回新宿区議会定例会 代表質問
代表質問 佐原 たけし 議員
1 区政の基本方針について ・・・・・・・・・・・・・・・区 長
2 平成20年度の財政状況について・・・・・・・・・・・・・ 々
3 予算と環境問題について ・・・・・・・・・・・・・・・ 々
4 自治創造研究所について ・・・・・・・・・・・・・・・ 々
5 生涯学習関係事務の所管換えについて ・・・・・・・・・教育委員会
6 児童・生徒の体力について ・・・・・・・・・・・・・・ 々
私は自由民主党議員団を代表して、区長並びに教育委員会に質問いたします。
よろしくお願いいたします。
わが国の経済状況はサブプライムローンや原油高、穀物高騰の影響により、
先行き不透明な状況にあります。これまで景気が上昇傾向にあったことで賃金
や個人消費にやっと光が見えてきたかと思えていましたが、ここで景気上昇の
傾向が頓挫しますと、またまた元に戻ってしまい、私たちの生活は冷え込んで
しまいます。そうしますと経済全体も沈滞してしまいます。このことが大変心
配されるところであります。
また、政治情勢は衆議院・参議院の与野党ねじれで、こちらも大変懸念され
る状況にあります。ここは与野党共に国民生活と国益を第一に良識ある行動を
お願いしたいものであります。もし、これが党利党略に走り出しますと私たち
の生活に大きな支障を与えかねません。例えば租税措置法案の審議が年度内に
解決しなければ、国民生活は混乱することになります。何としても年度内に予
算とその関連法案は決着させるべきであります。租税措置法に関するつなぎ法
案の与野党攻防は、幸いにも一月末日に衆・参両議長の斡旋で、与野党協議が
整い、租税措置法も年度内に決定する道が敷かれたようで、まずは一安心とい
ったところであります。
一方、地方自治体の財政状況も先行き不透明な向きがあります。国で議論さ
れています都市と地方の税源配分の問題は、都市部の将来の財政状況を不安に
落し入れています。東京都の20年度予算では、税収がこれまでの最高額の5兆
5千億円を計上していますが、これとて税源配分によっては大きな減収になり
ます。バブル崩壊による経済の落ち込みからやっと立ち直り、都政にもこれか
ら積極的な取り組みが期待される状況になったばかりですが、これも期待外れ
になりかねません。ここは慎重な配慮が必要であります。
また、われわれの新宿区にもこれらは大きく影響いたします。特別区長会で
も国への反論を申し入れておられますが、都市部の税収面だけでなく財政需要
にも目を向けてほしいものであります。当区の財政状況はここ数年改善をみせ
てきましたが、これは区独自の事業の見直しや効率的な事業執行の取り組みが
その効果の一因であります。地方分権が進んできたとは言え、国や都の財政運
営方針による影響を免れることはできません。したがって、これからもさらな
る効率的な行政運営が求められますが、また、国政や都政の進め方
にもこれまで以上に留意する必要があるのではないかとも思われます。
当区の来年度予算は、新しい基本構想、総合計画、その具体的内容の第一次
実行計画に基づく最初の予算であり、また、安全・安心、少子高齢化、環境問
題、教育等々多くの課題を抱えての予算編成であったと思いますが、そのこと
も念頭に、以下いくつか質問をいたします。
最初の質問は、区政の基本方針について、であります。
区長は、平成20年度の「区政の基本方針」を先日説明されました。
その説明で区長は、まず、区政運営の基本認識として、「区民により身近な
自治体ができる限りの権限と財源を持ち、自らの努力と創意工夫により、地域
に最もふさわしい公共サービスを多様な姿で展開していく、そのことにより豊
かな自治を実現することができると確信している。」と言われました。私も区
長の言われた通りだと思います。そのような自治体であることが、自分たちの
地域がより良いまちであり、その住みやすいまちになるために自らも進んで取
り組める原動力になるのだと思います。
そして、区長は昨年12月に新たに策定された「基本構想」に触れ、その基本
構想に基づき策定された総合計画では、総合的かつ計画的な行政運営を推進し
ていくために、今後、10年間にわたるまちづくりの指針を定めたと言われ、ま
た、この総合計画は、区民の区政への参画とまちづくりへの協働を進めていく
ものだとも言われました。
さらに、総合計画の具体化に向けて、20年度から23年度までを計画期間とす
る第一次実行計画を策定し、具体的な事業を通して「新宿力」で創造する、や
すらぎとにぎわいのあるまちを実現していくとも言われました。
20年度予算はこの第一次実行計画の事業が盛り込まれた予算であり、大変注
目される予算であります。
そして、区長は次には基本目標と主要施策の概要として、今後積極的に取り
組んでいく主要施策も、基本構想に掲げる六つの基本目標に沿って説明され、
また基本計画事業についても丁寧に説明されました。その計画事業を含む主要
施策は、子育て、高齢者、障害者、商工業、教育・文化、健康、環境等すべて
の分野にわたって、きめ細かく、正に区民の視線に立っての施策が盛り込まれ
ており、高く評価できるものとなっています。
そして区長は、この基本目標と施策の推進体制として、行政が取り組む姿勢
と方針を力強く述べられました。また、先の区政運営の基本認識のところでも
触れましたが、「総合計画については区民の区政への参画とまちづくりへの協
働を進めていくものだ」と、区民の参加の必要性を述べられています。確かに
区民の区政への参加は欠かせません。今回の基本構想、総合計画の策定も区民
会議や地区協議会という区民で構成される会の提言・議論がその出発点となっ
ています。また、日頃の行政運営にも、区民の諸団体及びボランティア等区民
の参加は数多くあります。このことは、中山区長になって大変活発になってま
いりました。
《第一の質問》
区政運営は、第一に行政が区民のためにサービスを提供することではありま
すが、区民はただその行政サービスを享受するだけではないと思います。区民
の立場として、できるだけ行政運営に負担を掛けないように、自ら努めること
もまた必要なことだと思います。
個人としてボランティア活動のように積極的に協力することは、素晴らしいこ
とでありますが、多くの方々はなかなかそのような積極的な協力ができるもの
ではありません。それではどうしたらよいか、例えば、日頃から省エネに努め
地球環境を守ることに心掛けることで、行政に負担をかけないことも個人とし
てできる参加・協力だと思います。したがって、このようなことを区民に呼び
かけることも行政の務めであると思います。
そこで、お聞きします。
区長の「区政の基本方針」については高く評価いたしますが、区民として区
政運営への協力を求めることもあっていいのではと思います。区長は区民とし
て区政運営にどのような参加・協力があったらよいと思われるのでしょうか。
もし、そう思われるのであれば、そのためにどのようなことをしようと思われ
ているのか、お聞かせください。
《第一の質問への答弁》
まず、としての区政運営への参加・協力についてのお尋ねです。区民主役の
まちづくりの実現には多くの区民参加・協力が不可欠です。しかし、議員ご指
摘のとおり誰もがボランティア活動などの積極的な参加・協力ができるもので
はありません。私は、まず区民一人一人が地域に関心を持ち、ともに地域社会
を支え合う立場にたって、日常の生活の中で出来ることから、参加・協力して
いただくことが大切だと思っています。地域では、地域安全や環境に関する取
り組みなど様々な活動が行われています。区民の皆様には、まちづくりの担い
手として主体的にそのような活動に関わっていただきたいと考えています。
次にそのための取り組みについてのお尋ねですが、何よりも区民起点の区政
運営を行い、まちづくりの課題や目標を区民と区が共有することが重要です。
そのために区政の情報公開に一層努め、パンフレットなどの情報誌やホームペ
ージ、サイトなど様々な媒体を活用しながら情報提供を行い、参加の場を提供
していきます。地区協議会などの取り組みも身近な参加の場の提供のひとつで
あり、昨年立ち上がった区民活動支援サイト「キラミラネット」のなかでも、
地区協議会の多くの活動報告がいるところです。今後とも区民が参加・協力し
やすい環境を整備していきたいと考えています。
《第二の質問》
次の質問は、20年度の財政状況について、であります。
20年度予算は、新しい基本構想・総合計画・第一次実行計画に基づく最初の
予算であり、これからの新宿区のあるべき姿を示す予算であると思います。
また、後期高齢者医療制度の変更に伴う特別会計も新しく設置されました。そ
の予算額は一般会計が 1,280億円であり、特別会計では国民健康保険 333億円、
介護保険 174億円、後期高齢者医療56億円、老人保健24億円となっており、こ
の4特別会計と一般会計を合算した総額は 1,795億円となっております。
これらの予算編成は、歳入と歳出の均衡を図ることが先ず第一だと思います
が、それには歳入において特別区税や都区財政調整の交付金などの一般財源が
どれだけ見込めるか、一方、歳出においては職員の人件費や扶助費などの義務
的経費、また通常の事務執行に要する物件費や施設の維持補修費などの一般事
務費を見込み、その上で歳入とのからみで投資的経費をはじめとする新しい事
業や事業の充実経費をどれだけ計上できるかではないかと思います。したがっ
て、この新しい事業や投資的経費の財源をどれだけ確保できるかが、予算編成
にとっての勝負所ではないかと思います。
そこで20年度の一般会計予算を前年度との比較で見てみますと、一般財源で
は特別区税と都区財政調整の交付金は合わせて31億円程増えますが、それ以外
の一般財源は、繰越金と財政調整基金繰入金を除くと逆に減少しています。一
方歳出では、義務的経費は扶助費が6億円程増えますが、人件費、公債費が減
額となり義務経費全体では増減なしのとんとんであります。一般事業費は37億
円程増え、投資的経費は15億円程の減額であります。また、計画事業、新規事
業、拡充事業などの臨時経費といいますか、積極的事業費といいますか、その
中の新規事業と拡充事業について、充当した財源の内訳を見てみますと、20年
度、前年度ともに事業総額は 173億円で変わりありませんが、それに充当する
一般財源はどうかと見てみますと、20年度の 147億円に対して前年度は 106億
円で20年度が41億円増えています。この新規事業と拡充事業に一般財源を20年
度41億円多く充当できたということは、財政状況にそれだけ余裕ができ、財政
状況が好転したということでしょうか。
また、今後の収支見通しとして、21年度から23年度までの3年間の収支見通
しが「予算の概要」に示されていますが、20年度と23年度を比較しますと、20
年度で34億円程の財源不足が、23年度でも依然として32億円の財源不足であり
ます。23年度の予算総額は59億円程増えて 1,267億円であります。これに対し
て一般財源の収入は26億円程しか増えておらず財源不足が続いています。この
ように財源不足だけを見てみますと、21年度27億円程、22年度37億円程と毎年
財源不足が見込まれています。このような収支見込みで今後の財政運営はどの
ようになるのか、この数字だけからは不安に思われます。
そこで2点についてお聞きします。
1点目は、一般財源の年間見込みについて、であります。20年度予算に計上
した一般財源は、その見込額全額が計上されているのでしょうか。特別区税、
特別区交付金、その他の諸交付金はどうなのか、また、繰越金が例年1億円で
ありましたが、20年度は20億円計上されていますが、この繰越金についても見
込額全額なのか、あるいはもっと見込めるのか、それについてもお聞きします。
2点目は、今後の財政見込みについて、であります。
先ほども述べましたが、23年度まで毎年度財源不足が続くと見込まれていま
すが、この通りの財源不足が続いた場合、計画事業や今後の財政運営はどうな
るのか、例えば財政調整基金の取り崩しで賄うのか、また、新たに財源確保の
手法が考えられるのか、その財政運営についてもお聞きします。
《第二質問への答弁》
20年度予算に計上した一般財源の見込みについてのお尋ねです。一般財源
の太宗をなす特別区税は、区民所得の伸びや納税義務者の増等を勘案し、見込
額の全額を計上しています。また、都区財政調整交付金や地方譲与税について
は、20年度都区財政調整当初フレーム見込などを参考に、見込み額お全額を
計上するとともに、他の一般財源についても、19年度の収入状況等を踏まえ
見込み額をしました。そして、繰越金については、19年度の収入実績と歳出
予算の執行実績により確定するため、現時点で見通すことは困難な面がありま
すが、平成元年度以降、概ね20億円から40億円の決算実績があることを踏
まえ、これまでの1億円から20億円に増額し計上したものです。また、計上
した繰越金は、今後の基金と債務のバランスを的確に見込み、中長期的な視点
からの財政運営を実現するため、財政調整基金や社会資本等整備基金等に積み
立てることとしています。次に今後の財政運営についてのお尋ねです。今回の
第一次実行計画では戸塚地区の地域センター整備、新宿西戸山中学校の建設、
区民ふれあいの森の整備、旧東戸山中学校の活用等の投資的経費の需要増を見
込むとともに、4年間を通じ、区税等の一般財源の確保に加え、各種基金や起
債を活用し、柔軟な財政運営を図ることとしています。財政収支見通しでは、
財源不足額として、20年度で34億円、21年度で27億円、22年度で
37億円、23年度で32億円、総額130億円を見込んでおり、全額、財政
調整基金で対応することとしています。また、基金全体の活用では、4年間の
総額で303億円の取り崩しと152億円の積立を見込んだ結果、23年度末
の基金総額で、384億円が確保できる見込みであり、24年度から始まる第
二次実行計画の備えにも目配りをした財政フレームとなっています。景気動向
への不透明感が広がるなか、将来に渡り、安定した財政運営を持続していくた
めには、区税等一般財源収入の確保や基金、起債の活用に加え、公共サービス
のあり方の見直しなど、行財政改革にも不断に取り組み、効果的、効率的な行
財政運営を実現していくことが不可欠と考えます。
《第三の質問》
次に、予算と環境問題について、お聞きします。
地球温暖化によりわれわれの生活環境が大変心配な状況になってきました。
異常気象により災害が各地で多発しています。渇水による砂漠化や大雨による
被害が世界各地で起きています。そのために住むことすらできない地域も出現
しています。また、農作物や魚類への影響も現れています。このような地球温
暖化はわれわれ人類がより便利な生活を求めることによって引き起こしたもの
であり、その責めはすべてわれわれにあります。したがって、地球環境を守る
ためには、われわれ一人ひとりが真剣に取り組まなければなりません。また、
それには全世界が考えを共通にして一致協力して当たらなければならないこと
でもあります。しかし、現状は必ずしもそのようになっていません。経済先進
国と発展途上国での考えもまとまっているとは言えません。今年7月の洞爺湖
サミットでは、この地球環境の問題が第一に協議されると思いますが、是非実
りのある協議を期待したいものであります。
わが国は、世界と協調していくとともに、わが国独自としての取り組みも、
また必要だと思います。わが国の省エネ技術は世界のトップクラスにあります。
この省エネ技術を地球環境を守ために役立てることは大変意義あることだと思
います。政府もその方針を立てています。期待したいと思います。
環境問題は第一に世界が共に取り組むとともに、各国がそれぞれ国の方針を
立てて取り組むことが前提でありますが、それとともに各自治体も、また個人
としても取り組むことが必要でもあります。東京都でも各区でもそれぞれに環
境施策に取り組んでいます。当新宿区も、もちろん取り組み、20年度予算にも
それらの経費が計上されています。新しく策定した基本構想においても、その
「まちづくりの基本目標」に「持続可能な都市と環境を創造するまち」を掲げ、
これを受けて実行計画では、個別目標として「環境への負荷を少なくし、未来
の環境を創るまち」を掲げ、その下に四つの基本施策を設定して、五つの計画
事業を設け、その下にさらに枝事業も設けています。そして予算には計画事業
だけでも11事業、13億 6,000万円余が計上されています。この計画事業以外に
も取り組んでいることは数多くあることだと思います。住民に一番近い自治体
が住民に呼びかけ、積極的に取り組むことが、個人個人の意識を高めることに
もっとも効果があることだと思います。
そこで、お聞きいたしますのは、20年度予算に環境保全や改善に関する予算
はどの位計上されているのでしょうか。また、区が取り組むにはどのようなこ
とが考えられるのか。
そして、この地球環境を守ることについて、区長はどのように考えておられる
のか、そのことについてお聞かせください。
《第三の質問への答弁》
予算と環境問題についてのお尋ねです。「環境への負荷を少なくし、未来の
環境を創るまち」に係る予算としては、ISO14001の推進や日々のごみの収集運
搬など経常的な事業も含めると、平成20年度に42億5400万円余の予算計上
となります。その他にも、水やみどりの創造として、「玉川上水を偲ぶ流れの
創出」や「新宿らしい都市緑化の推進」などの予算も計上しています。新宿区
ではこの度、「環境基本計画」を改訂し、地球温暖化・ヒートアイランド対策
の強化を打ち出しました。これに基づき、重点的な取り組みを行っていきます。
例えば、区有施設に太陽光・風力発電設備を、啓発的な取り組みとして設置す
るとともに、区民や事業者の皆さんが身近に取り組める施策として、ゴーヤな
どによる「みどりのカーテン」の設置を推進していきます。さらに、新宿区か
ら排出される二酸化炭素を相殺するためのカーボンオフセットの取り組みとし
て、2月10日に友好提携都市・伊那市と地球環境保全の協定を締結しました。
これに基づき、森林保全の支援や間伐材の有効活用、自然とふれあう体験学習
事業などに取り組んでいきます。組織面でも環境清掃部を新たに設置し、環境
分野の執行体制の充実を図っていきます。京都議定書の第一約束期間がスター
トし、地球温暖化対策は待ったなしの状況です。地球温暖化は、日々の生活や
事業活動から発生する地域の問題でもあります。この解決には、技術革新を積
極的に取り入れ、社会経済システムを変革するとともに、私たち一人ひとりの
ライフスタイルを転換することが重要であると考えます。今を生きる私たちの
みならず、次の世代が夢と希望を持てる社会をつくるため、新宿区は、自らの
努力と創意工夫により、今後とも実効ある施策を講じ、区民の皆さんとの協働
で取り組んでいきます。
《第四の質問》
次に、自治創造研究所について、お聞きいたします。
予算に政策形成能力の向上を目的に「新宿自治創造研究所」設置の経費
1,917万3千円が計上されています。非常勤職員等として、所長1名、研究員
3名、政策形成アドバイザー1名、テーマ別アドバイザー3名の陣容での研究
所のようであります。そして、この年度の事業として、設立記念シンポジウム
の開催と自治に関するテーマについて、研究員、アドバイザー、職員等でプロ
ジェクトチームを設置して研究を行う、2事業が具体的に挙げられています。
地方分権化が進み、自治体の自立性が求められている現在では、このような
独自の研究機関を設けることは大変意義あることだと評価できます。この研究
成果はあくまでも区民に利するものでなければ意味がありません。それには、
まず第一に新宿区の現状をしっかりと把握することが必要だと思います。現在
でも区では区民意識調査、商工業調査や区政モニターや各種団体、各種調査等
を通じて区民の意向等の情報は収集されております。これらの情報を区政に活
かすには、その調査内容だけに目を向けるのではなく、他の状況との関連につ
いても目配りを忘れないことだと思います、例えば、国や都の政策等を収集分
析し、それらとの照合も必要だと思います。また、現在の状況だけで判断する
のではなく、将来の予測も踏まえて判断することも必要だと思います。このよ
うに区の現状を十分把握
すること。国や都の政策も十分掌握すること。そして将来の見通しも行い政策
を決めていくことが、真に区民に利する政策であると言えるのではないかと思
います。
そのためには、それぞれの分野の専門家も必要ですし、また、区職員の研修
も必要であります。しかも、これらの研究は短期的に実績が出るとは限りませ
ん。したがって、ある程度の長期的な対応も必要であります。そうして、専門
家も臨時的な片手間でなく、出来ることならば一定の専従的な取組みができる
体制が望まれるようにも思います。そして、その研究成果を国や都、他の自治
体等に発信して、相乗効果を生み出すような政策を新宿区から発信していただ
きたいものであります。
そこでお聞きいたしますのは、政策形成能力の向上はもちろんですが、この
研究は具体的な政策の立案に役立つような分野の研究が求められると思います
が、この研究所設置の目的について、具体的に長期的な目標も含めてご説明く
ださい。
《第四の質問への答弁》
新宿自治創造研究所についてのお尋ねです。地方分権改革の流れの中、区は
基礎自治体にふさわしい能力と体力を身につけ、政策形成能力を向上させてい
くことが求められています。その手段のひとつとして、区長の意思決定を支え
区政への提言などを行っていく新宿自治創造研究所を設立すものです。また、
ご指摘のとおり、新宿自治創造研究所は、区の設置するとして区民に利する研
究成果を追求するものであり、そのためには、人材を十分に確保、適切に配置
した上で、幅広い情報収集、比較分析等の調査研究を行うとともに、区政との
十分ではな連携を図っていく必要があると考えます。そのためにの体制として、
研究所には所長以下、自治体の政策形成に精通した学識経験者や研究員を配置
するとともに、各テーマの研究期間は、質の高い研究成果を得るのに必要な期
間として、基本的に2年間とします。また、研究所に関する事務を統括する担
当部・担当課を設置し、研究成果を区政に反映させていきます。
次に、研究テーマについては、区の中長期的政策課題から選択する予定です。
20年度の研究テーマは、「新宿区における新たな住民自治のあり方について」
と「マンション住民の居住実態調査を通じた新宿区の将来像いついての考察」、
そして「基礎自治体としての新宿区の今後のあり方」の3つですが、どれも今
後の区政運営を進めていく上で必要不可欠なものです。さらに、今後、こうし
た研究活動を通じて、他研究機関との連携や人材交流、シンポジウムや出版物
による研究成果の外部への発信などを行い、研究所が区政全体を活性化させる
原動力の一つとなることを目指していきます。
《第五の質問》
次に教育委員会に二点についてお聞きいたします。
先ず、1点目は、生涯学習関係事務の所管換えについて、お聞きします。
生涯学習関係事務はこれまで教育委員会が所管してきましたが、4月からは
区長部局所管となります。生涯学習の事務事業は、学校教育とも深い関係があ
ります。教育基本法では社会教育の振興のために学校施設の利用について条文
に明記していますし、社会教育法では、「学校施設の利用」として、第六章と
して独立の章を設け六か条にわたって規定しています。もとより社会教育と学
校教育の関係は、学校施設だけではなく、児童生徒の健全育成についても、学
校との緊密な連携のもとに活動してきており、そのことがよりよい学校教育と
して活かされてきてもおります。
生涯学習と学校との相互関係は、これまで教育委員会という言わば同じ屋根
の下での関係で、その緊密な関係が容易であったと思われます。それが、これ
からは区長部局と学校という言わば教育委員会という一つの橋を隔てた関係に
なると思われます。そうだとすると、これまでの緊密な協力関係の維持にも、
何らかそれなりの手だてを要することだと思います。
一方この関係を前向きに考えますと、これまでは狭い部屋の中での関係が、
これからは広い部屋での伸び伸びとした視野の広い関係になり、新しい視点か
らこれまで以上の成果が期待できる一面も考えられます。私はこの前向きの成
果を期待しておりますし、きっと実現していただけるものと信じています。
また、社会教育法第二条には社会教育の定義として、「社会教育とは、学校
教育法に基づき、学校の教育課程として行われる教育活動を除き、主として青
少年及び成人に対して行われる組織的な教育活動をいう」と定めています。こ
のように活動の主体が組織であると言っています。したがって、これまで多く
の団体の構成員の皆さんに協力していただいているのだと思います。そうだと
すると、これらの方たちの理解もまた得ておくべきと思いますし、もちろんそ
のことは怠りないことだとは思います。しかし、これまで長い間教育委員会の
活動として協力してこられた皆さんが、これまでと同じ気持ちで協力していた
だくには、それなりの心の切り替えも必要ではないかと思います。ここへの思
いやりもお願いしたいと思います。私は今回の所管変更に異を唱える積もりは
毛頭ありませんし、むしろ評価をしている方であります。
そこで期待を込めてお聞きしますのは、この所管換えを円滑に行い、これか
らも今まで通り円滑に効果的に行政と学校の相互関係が維持できるために、ど
のように対処していかれるお積もりかお聞かせ下さい。
《第五の質問への答弁》
教育委員会へのご質問にお答えします。生涯学習関係事務の所管換えについ
てのお尋ねです。教育委員会では子どもから大人までの生涯学習を推進する観
点から、区長部局の様々な部課と連携をしながら事業を進めてきましたが、今
回の組織改正により、より地域に根ざした事業が展開されると考えています。
従来から教育委員会では、学校・家庭・地域が連携して、子どもの社会体験・
生活体験や、地域での学習活動・コミュニティ活動の支援などを目的として、
様々な講座やイベントを行ってきました。これらの事業は、多様な地域の活動
団体と協働して行ってきたものです。今後も、これらの団体が地域で組織的、
継続的に活動できるように、教育委員会といたしましても、区長部局との協議
の場などをとおして、緊密な連携を図っていきます。
《第六の質問》
2点目は、児童・生徒の体力について、お聞きいたします。
昨年10月に文部科学省より「18年度体力・運動能力調査」の調査結果が公表
されました。この調査は6歳から79歳までの男女約7万4千人を対象に実施し、
回収標本約7万1千によるものですが、その中で小学校は1万 3,492標本、中
学校は 8,428標本についての調査結果であります。このテストの項目は小学校
では、握力、上体起こし、長座体前屈、反復横飛び、20メートルシャトルラン
(往復持久走)、50メートル走、立ち幅とび、ソフトボール投げの8項目で、
中学校は、小学校の8項目のうちソフトボール投げの代わりにハンドボール投
げ、これに持久走を加えた9項目となっておりますが、持久走と20メートルシ
ャトルラン(往復持久走)は選択実施となっています。この調査は昭和39年か
ら毎年実施されており、長期間の比較が可能な調査であります。
18年度の小中学校の調査結果は、長期的に見ると低下傾向にあるものの、最
近10年では横ばいの傾向にあるようであります。しかし、これは最低限での横
ばいであり、決して安心できる状況とは言えないようであります。調査を担当
したある方は「運動不足に端を発した能力低下が行き着くところまでいって、
低い状況で安定しただけで、急激に回復しているとは言えない」と言っている
くらいであります。
別の資料ですが、平成18年度の文部科学白書では、今のこどもは、親の世代
に比べ、体格は向上しているものの、体力は逆に低下の傾向が見られるとして
います。体力は、人間として成長し、生活を営んでいく上においての気力の源
となるものであり、体力・気力・知力が一体となって、人間としての活動がで
きるのだと思いますし、この体力を高めることは大事なことであると思います。
しかもその体力をつけることは、こどもの時にこそ大事なことだと思います。
その体力について、当区ではどのような状況なのでしょうか。先の調査に当区
の児童・生徒がその対象になっているのかどうかは承知しておりませんが、
日頃の体育の授業からもその実態は把握されているのではないかと思います。
そこでお聞きします。当区の児童・生徒の体力は先の調査結果と比べて、ど
の程度の状況にあるのでしょうか。また、区では体力向上にどのように取り組
んでおられるのでしょうか、その状況をご説明ください。
《第六の質問への答弁》
新宿区の児童・生徒の体力の状況及び本区における体力向上に向けた取り組
みについてのお尋ねです。平成18年度の東京都の体力テスト調査結果による
と、小学生では、握力、反復横飛び、ソフトボール投げ等の種目において、中
学生では全種目において全国を下回るなど、体力の低下傾向が見られます。新
宿区においても、同様の傾向にあります。体力向上に向けた取り組みについて
ですが、小学校では、体育朝会で縄跳びや持久走などの体育活動を設定したり、
校内で水泳記録会を開催したりしています。一方、中学校では、陸上や水泳、
駅伝等の大会に生徒を参加させたり、運動部活動への積極的な参加を促したり
しています。また、教育委員会では、子どもが意欲的に取り組む体育の授業を
目指し、指導法改善のための資料を作成するとともに、教員対象の実技研修会
を開催するなどしております。教育委員会といたしましては、こうした各学校
での教育活動全体を通した取り組みを推進するとともに、家庭や地域とも連携
し、子どもたちの体力向上を図って参ります。
以上で私の代表質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。